坪田:はいどうもー!ブラックジャックです、よろしくお願いします。

大賀:貴方のハートにメスを入れます。ブラックジャックです。

坪田:何その決まり文句は!初耳なんですけど!

藤井:メスで傷ついた貴方のハートに包帯を巻きます。ブラックジャックです。

坪田:だからそのちょっとうまいこと言った決め台詞みたいなのやめて!しかもメスで傷付いてるって確実にお前らの医療ミスじゃん!

澤崎:日本語で言うと「黒じゃっく」。ブラックジャックです。

坪田:ジャックそのままじゃん!「黒じゃっく」ってなんか「口チャック」みたいで嫌だよ!

大賀:…早速ですが、もうすぐ春ですねー。

坪田:なにその下手な無視の仕方は!流すにしてもせめて一言触れて欲しいな!

藤井:春と言えば、やっぱり狩りですかねぇ。

坪田:そうですねぇ…って狩り!?どういう事!?

藤井:え、紅葉狩りって春じゃないの!?

坪田:根本から間違えてたのか!そもそも紅葉狩りは春じゃなくて秋だよ!
   しかも「狩り」って略さないで!

藤井:いやいや、最近でも皆狩りしてるじゃないですか。「ひと狩り行こうぜっ!」って。

坪田:それは某超大作アクションゲームのキャッチコピーだよ!もはや季節全然関係ないですから!

澤崎:「回復薬頂戴っ!」って電車の中で小学生が叫んでるもんね。

坪田:だからそのゲームはもういいって!伝わらないから!

大賀:その小学生を、お前はボコボコに殴ってたもんなぁ。あれは爆笑ものだったよ!

澤崎:そうだったな!あっはっは!

坪田:笑い事じゃないし!大人気ないし!お前も小学生も公共の場で何してくれてるんだよ!

藤井:へぇ…お前ら2人でどっか出かけたんだ…。

坪田:藤井仲間はずれか!仲間に入れてあげなさいよ!

藤井:春って何もなくてつまらんじゃんー…。ぐすん。

坪田:「ぐすん」ってちょっと可愛く泣かれても!落ち込まないで!俺も行ってないから落ち込まないで!
   でも、春にはイベントたくさんあるじゃん!入学式、卒業式とか、あとは…花見とかさ!

藤井:あぁ、花見って春の行事だったんだ。知らなかった…ちーん。

坪田:「知らなかった。」ってどう生きてきたら知らずに過ごせるの!
   あと、鼻かまないで!本番中だから鼻かまないで!後で存分に鼻かんで良いから!

大賀:でもさぁ、花見って色々と大変じゃない?

坪田:まぁ確かにね。場所取りとか本番とか色々大変だしね…。

澤崎:じゃあさ、ちょっと皆で花見の練習やってみようよ!

坪田:おぉ、良いね!やってみよう!

(四人、一旦舞台からはけて、大賀・坪田登場)

坪田:あっ!いたいた!おーい、大賀ー。

大賀:…おっ。やっと来たか。遅いぞー。

坪田:お前スゴイいい場所とっておいてくれたな!えぇ!広いし、桜も綺麗に見えるし!

大賀:まぁな。凄いだろ?

坪田:凄い凄い!人混んできたのに何て良い場所なんだよ!

大賀:俺をなめるなよ?ここにダンボールを引いて、荷物を置いて、1年以上住み着いているんだからね…。

坪田:それホームレスじゃん!大丈夫!?

大賀:大丈夫に決まってるじゃん!最近では中学生でもホームレスになれる時代なんだよ!やったね!

坪田:「やったね!」じゃねぇよ!あの人も色々大変だったんだからね!
   そうじゃなくてさ。ほら、家庭…とかさ。確かこの前結婚…したんだよね?

大賀:あぁ、そのことなら大丈夫だよ。今俺の嫁は帰省してて、頑張って5つ子を産もうとしてるところなんだよね。

坪田:5つ子!?お前、この前結婚したと思ったら…いつの間に!やるじゃん!

大賀:うん、何でもうちの嫁がさ、昼ドラの「5つ子」シリーズに対抗心ムキ出しらしくてさ、頑張っちゃったんだよね。

坪田:お前の奥さんの昼ドラ好きなんて知らないから!しかも頑張っただけで5つ子になるわけないし!

大賀:いやいや、医者にもちゃんと見てもらったんだよ?

坪田:あ、そうなのか?

大賀:うん。医者からはさ、「元気な女の子がみたいですね。」って言われたし。

坪田:一文字多いだけで急に医者が「孫をせがむ相手方のお義母さん」みたいになっちゃったよ!

大賀:あぁ、間違えた。医者からは「元気な女の子みたいですね。」って言われたし。

坪田:…それ別に5つ子とか言ってないじゃん!むしろ1人っ子の可能性大じゃん!

大賀:まぁ、俺は元気な子が生まれてくれればそれで十分なんだよ。

坪田:お、お前良いこと言うじゃ…

大賀:あとは育ったらモデルみたいな体系になって、お金持ちの家に嫁いで、でもずっとパパとはお風呂に入ってくれて…。

坪田:欲望バリバリあるじゃねぇか!どんだけ親馬鹿なんだよ!

大賀:そんなことないよ!この事を嫁にも言ったら、「貴方とは一旦距離を置きたい」って言われて実家に帰られただけだし!

坪田:それ完璧に愛想つかされてるだけじゃねぇか!ちょっと見直した俺が馬鹿だったよ!

(澤崎・藤井登場、少し離れた場所へ行く)

澤崎:あー、ここだここだ。

藤井:本当だ。ビニールシートの上にレンコン置いてあるからここだな。

澤崎:さすが、レンコンパワーだな。


大賀:…おい、見ろよ。レンコン1つで俺らより広い場所とって人がいるぞ。

坪田:レンコン1つで!?そんな馬鹿な!?

大賀:何というレンコンパワー…!くそっ!俺もレンコン持ってくるべきだったか…!

坪田:真に受けるなよ!そんな事よりさ、乾杯しようぜ!

大賀:お、さすがだな。何買ってきたんだ?

坪田:ほら、お前が好きな麒麟麦酒、ちゃんとつまみと一緒に買ってきたぜ。


澤崎:おい、早く買ってきたの飲もうぜ。

藤井:そうだな。はい、Qooちゃんのペットボトル。10ダース。

坪田:2人なのに10ダースも!?しかもQooちゃんって何て可愛いチョイス!
   …は!相手にしたらダメだ。俺らも早く飲もうぜ…ってあれ?大賀?

澤崎:あら、いける口ですね?

大賀:いえいえ。貴方達ほどでもないですよ。

藤井:そりゃそうですわな!あっはっはー!

坪田:何仲良くなってるの!?溶け込み早くない!?
   しかも飲んでるのQooなのに酔っ払ってるみたいになってるし!

澤崎:あら、この人誰?

大賀:いや、ここで花見したいからって1年以上ここで生活してる奴なのよ。

坪田:それお前じゃん!ホームレスなのはお前じゃん!

藤井:じゃあ、奥さんに愛想をつかされて、実家に帰省されてるというタチですね!

大賀:そうなんですよね!コイツ、カッコ悪いですよね!笑ってやりましょうよ!

坪田:それもお前!カッコ悪いの全部お前なんだよ!

澤崎:まぁまぁ。そう怒鳴らずに。お名前は何て言うんですか?うん?浅田舞って言うんですか?

坪田:僕、妹のスケートの出来に嫉妬気味のお姉さんじゃありませんから!坪田って言います!

藤井:クボタ?

坪田:つぼたです!何でトラクター作ってる会社なんですか!

澤崎:いやーやっぱりクボタと言ったら、あれでしょー。

藤井:そうだよねー。阪神の投手だよねー。確か「JFL」って言われたんだっけ?

坪田:「JFK」だよ!「JFL」ってサッカーリーグの1つじゃないですか!

大賀:まぁ、カリカリすんなよ。そこに座って一杯飲もうぜ。悪い人達じゃないからさ。

坪田:分かったよ…。

澤崎:はい、ヤンマーさんの!ちょっと良いとこ見てみたい!

坪田:だから僕坪田です!クボタからヤンマーにトラクターを買い換えちゃったの!?

大賀:おっ、一気コールだぞ!応えろよ坪田!

坪田:ったくしゃーねぇーな。じゃあ一気いくぞー!

藤井:おめぇ!何やってんだぁ!?借金減らしてくれって、何回も言ってたべぇ!

坪田:…急にどうしました?

澤崎:おら達の村を潰す気かぁ!だからおら達、団結して借金の帳消しを求めるべ!

大賀:借金を無くせー!借金を無くせー!おら達の村を救えー!

坪田:…それ一揆だよね!?歴史の教科書でよく見る、農民が団結する一揆のほうだよね!?

藤井:くそっ!貢ぐ予定だった物も食べてやるぞー!

澤崎:そうだ食べてやるぞー!

三人:(バクバク)

坪田:ちょっと!それ俺が買ってきたつまみ!あぁ!柿ピーのピーナッツだけ先に食べるな!
   あぁ!こっちではハッピーターンの粉だけなめてるし!

大賀:あぁ…くそ…それは俺のだ…(スヤスヤ)

澤崎:いや、俺のだ…(スヤスヤ)

藤井:いやいや、俺の…(スヤスヤ)

大賀・澤崎:どうぞどうぞ…(スヤスヤ)

坪田:おいおい全員寝ちゃって、寝言でどこぞのトリオのお決まりボケやってるし!しかもこの場合最後の人が得しちゃうじゃん!

澤崎:…そして、俺達は4人仲良くその場でダンボールに包まり、素晴らしい生涯に幕を閉じたのでした…。

藤井:めでたし、めでたし。

坪田:いやいや!全然めでたくないから!なんか昔話のように綺麗に終わったけどさ!それじゃただの寂しい4人の男達のホームレス物語じゃん!
   結局、花見全く出来てないし!このままじゃ漫才も終われないよ!どうするんだよ!

大賀:大丈夫だよ。だって花見の桜もいずれは枯れて「落ちる」んだからね。

坪田:もういいよ!

四人:どうもありがとうございました。

 

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