漫才「地獄」(第7回即興ネタ大会)

 

二人:はいどうもー!オフ・コースです、よろしくお願いします。

藤井:早速ですが、実はさっき財布を拾ったんですよ。

大賀:高速道路上で?

藤井:違うわ!普通に道端でだよ!高速道路上ってどうやって拾うんだよ!

大賀:そりゃあ、まずは普通に降りて…

藤井:待てぃ!普通に降りちゃマズいだろ!

大賀:でも、そこで「僕は死にましぇーん!」って言えば、きっとうまく…!

藤井:いくわけねぇだろ!間違いなく轢かれちゃうわ!

大賀:確かに、俺まだ101回もプロポーズしてないもんね。

藤井:そうじゃねぇだろ!高速道路って時速100km以上で走ってるんだぞ!そんなにすぐに止まれないってことだよ!

大賀:あぁ、俗に言う「車は急に止まれない」ってやつだな。あの松尾芭蕉が詠んだっていう…

藤井:松尾芭蕉が居た時代に車なんてだろ!

大賀:いや、もしかしたら人力車ぐらいなら…。

藤井:そうだとしても止まれるだろ!人が出せる速度なんてたかが知れてるし!

大賀:確かに、急に立ち止まる人っているもんね。「ヤバイー時間に遅れるー!あ、財布を落としちゃった…。」って財布の話は?

藤井:そうだった!お前のせいですっかり忘れてたじゃねぇかよ!
   それで、さっき拾った財布を警察へ届けに行ったんだけど…

大賀:何て事をしてくれたんだ!

藤井:何で怒った!?いきなりどうしたんだよ!?

大賀:警察に届けたって事は、お前は良い事をしたってことなんだぞ!?

藤井:だからどうした!何で良い事して怒られる必要があるんだよ!?

大賀:お前が良い事をしたってことは、死んだら天国に行く可能性が上がったってことだぞ!?

藤井:ますます良い事じゃねぇかよ!

大賀:いいや!絶対地獄が良いよ!俺だったら断然、地獄に行きたいよ!

藤井:なんでそこまで地獄を推すんだよ!?天国の方が「死後の楽園」って感じがするだろ!

大賀:じゃあ今からお前に地獄の良いところを教えてやるよ。
   まずはー…ほら、地獄には「鬼」が居るじゃん!やったね!

藤井:「やったね!」じゃねぇよ!鬼に懲らしめられるんだぞ!

大賀:いやいや、良い方に考えないと!いつでも節分やり放題!

藤井:出来るわけないだろ!

大賀:あ、確かに、地獄には豆がないもんね…。

藤井:そこじゃねぇだろ!地獄でそんなにのん気に出来ないだろってことだよ!

大賀:それから、鬼に舌を抜いてもらえるし!

藤井:なにちょっと嬉しいことのような言い方してるんだよ!

大賀:だって、舌がなくなれば、世界で唯一「舌がない人間」ってことで「ビックリ人間大集合!」みたいな番組に出れるし!

藤井:無理だよ!ってかそんなやつが実際に出てたら怖いだろ!

大賀:そして「針山」があるじゃん!針山で健康のツボを刺激してパワーアップ!

藤井:出来ねぇよ!そんなウマいこといくわけないだろ!

大賀:あ、確かに俺ツボの場所知らなかった…。藤井!教えてくれ!

藤井:俺も知らねぇよ!

大賀:本当に…?嘘ついたら地獄で舌抜かれちゃうんだぞ。

藤井:さっき言ってた事と矛盾してるじゃん!舌抜かれた方が良いんじゃねぇのかよ!?

大賀:よし、これで俺も地獄で舌を抜いてもらえるぜ!

藤井:それが狙いか!

大賀:他には「血の池地獄」ね。どんなに怪我しても輸血し放題!

藤井:出来るか!

大賀:あ、確かに、血液型の問題が…。

藤井:そういう意味じゃねぇよ!それから、さっきから何度も言ってる「確かに」っていうのやめろ!

大賀:それから、地獄ではピッコロ大魔王達に会えるし!

藤井:それはドラゴンボール!

大賀:死んでるから将来の事考えなくても良いし!

藤井:天国でも一緒だよ!むしろ天国の方が楽に生活出来そうじゃん!

大賀:可愛い女の子がたくさん居るし!

藤井:それはお前の妄想だよ!それも天国の方が居そうだし!

大賀:なんと言ってもイメージカラーが「白」!

藤井:それはまるっきり天国のイメージじゃねぇか!地獄は「黒」とか「赤」だろ!?
   お前、地獄の良いところ教えるって言って、全然説明できてないじゃん!やっぱり地獄の良いところなんてないじゃねぇかよ!

大賀:でもやっぱり俺らにとっては地獄が一番だよ。

藤井:なんでだよ!?

大賀:「地獄」だけに、ネタも「落ちる(オチる)」ってね。

藤井:もういいよ!

大賀:はい、俺たちもちろん!

藤井:オフ・コース!

二人:どうもありがとうございました。

 

戻る

inserted by FC2 system