漫才「武士」

 

二人:はいどうもー!オフ・コースです、よろしくお願いします。

藤井:早速ですが、俺ね昔の武士が好きなんですよ。

大賀:その言葉本気か?

藤井:疑うなよ!ただ好きだって言ってるだけだろ!

大賀:あぁ、ごめんごめん。「武士に二言はない」んだもんね。

藤井:なんで俺を武士だと思った!?間違える要素ないだろ!

大賀:で、武士の中で特に好きな人とかいるの?あ、もちろん「自分」はなしでね。

藤井:だから俺は武士じゃないって言ってるだろ!
   まぁ一番好きなのは「織田信長」かな。

大賀:ああ、別名「ジャイアン」って言われてる人ね。

藤井:言われてねぇよ!確かに両方怖いってイメージがあるけど!

大賀:怖いと言えば、信長は怖い名言を残してなかったっけ?

藤井:うん。信長を象徴してる言葉が残ってたね。

大賀:思い出した!「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」

藤井:それはジャイアンの理屈!そうじゃなくて、「泣かぬなら」で始まるやつがあるでしょ。

大賀:あぁ。「泣かぬなら 目薬さして 泣き真似だ」

藤井:違う!信長が泣けない俳優の心境を語るわけないだろ!

大賀:「泣かぬなら それでも泣けよ 心の友」

藤井:わけ分からん!なんかそれもジャイアンの理屈っぽいし!もっと「死」をイメージさせる内容だっただろ!

大賀:「泣かぬなら ハラキリテンプラ スシフジヤマ」

藤井:外国人かよ!信長はそんな喋り方してねぇよ!しかもハラキリ以外死なないから!

大賀:そうか。じゃあそのお詫びに俺が切腹して…。

藤井:お前は切腹せんで良い!もう答え言うよ!「泣かぬなら 殺してしまえ …」

大賀:「…ウイルス菌」

藤井:めっちゃ良いことしてるじゃん!そうやなくて最後は「ホトトギス」だろ!

大賀:気付かれたか。

藤井:気付く気付かないどうこうの問題じゃないだろ!

大賀:で、どうしてお前は信長が好きなんだ?

藤井:いきなり話戻すのかよ。まぁさっき言ったように怖い一面もあるけど、違う一面もあるからかな。

大賀:ああ、映画の時だけ妙に頼もしくなったりとかね。

藤井:それもジャイアンだ!頼むから信長にジャイアンをかぶせるのやめてくれ。

大賀:だって、俺信長には興味がないんだもん。

藤井:理由になってねぇよ。「信長には」って、じゃあお前は誰に興味があるんだ?

大賀:俺は絶対に「上杉」だね。

藤井:「上杉謙信」か。どんなところが好きなん?

大賀:有名な争いのところかな。『くらえ達也!』『やったな和也!』

藤井:待てっ!上杉は上杉でもそれはタッチの上杉達也と和也の話になってる!武士関係ないじゃん!

大賀:『追い詰めたぞ達也!』『くっ、和也に殺されるくらいならこの腹かっさばいて…』

藤井:そこだけ武士っぽくするな!野球漫画の兄弟喧嘩で切腹とか有りえないだろ!

大賀:気付かれたか。

藤井:だからそりゃ気付くわ!まともな理由はないのか!?

大賀:ありますよ。緊迫した対決のところね。

藤井:今度こそ戦争のことか。

大賀:『この一球に全てを賭ける…。』

藤井:おい、またタッチの話になっ…

大賀:『これが決まれば俺率いるジャイアンズの勝利だ。』

藤井:ってまたジャイアンか!

大賀:気付かれ…

藤井:気付いてるよ!全部その言葉で解決すると思うなよ!

大賀:でもさぁ、もし武士が現代に居たら大変だろうね。

藤井:まぁそうだろうね。もし俺たちが武士だったりしたら、漫才ミスっただけで切腹したりとかね。

大賀:何、お前切腹したいのか!?

藤井:俺のことじゃないわ!「もし武士が漫才したら」って言ってるだろ!

大賀:お前が切腹か…ありがとう。

藤井:なんでそこでお礼の言葉だよ!他に言う言葉があるだろ!

大賀:気疲れしたか。

藤井:確かにその通りだけど!そうじゃなくて「切腹するとか言うな!」とかさ!

大賀:ハラキリ アカン イウテルヤロ。

藤井:なんで関西なまりの外国人だよ!もっとストレートに「死なないでくれ!」とか!

大賀:死なないでくれ、心の友よ。

藤井:ジャイアンはやめろ!どうしてお前はまともに出来ないんだよ!

大賀:やっぱり武士の漫才は無理ってことだ。

藤井:どう考えてもお前に問題があるだろ。まあ信長も謙信も漫才するわけないんだけどね。

大賀:待て。謙信は武士ではないぞ。

藤井:なんでだよ?

大賀:だって「謙信」の字には『二つの「言」』が入ってるだろ。だから「武士に『二言』はない」ってね。

藤井:もういいよ!

大賀:はい、俺たちもちろん!

藤井:オフ・コース!

二人:どうもありがとうございました。

 

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